地理学者
Geographer
ヨハネス・フェルメール
作品解説
この絵に描かれている学者は日本の着物のようなローブを羽織っていますが、実際、南蛮貿易によって得た和服をガウンに仕立て直した物で、当時、知識層で流行していました。この地理学者は、知的作業を行なっていて、周囲には地図や海図、地球儀、書物などが散乱しています。フェルメールはこの作品の製作中、いくつか変更を行なっています。例えば、当初、男性の頭部はさらに左寄りでした。右手のディバイダは水平ではなく垂直に持っていたとされています。学者は表情がよくわからないように書かれていますが、これは「動き」を意図してとのこと。また、何かを「思いついた瞬間」、「天啓を得た瞬間」を描いたという説もあります。
制作年
1669年ごろ
素材/技法
キャンバスに油彩
制作場所
デルフト