ヴァージナルの前に立つ女
Lady Standing at a Virginal
ヨハネス・フェルメール
作品解説
本作には、豪華な衣装でヴァージナルを演奏する女性が描かれています。タイル張りの床、2点の絵がかけられた壁、壁最下部に使われた青と白のデルフト陶器など、他のフェルメール作品に見られるモチーフも多く使用されています。壁にかけられた絵は、特定できてはいませんが、小さな方の風景画は同時代の画家ヤン・ウィナンツ (en:Jan Wijnants)かアラールト・ファン・エーフェルディンヘン (en:Allart van Everdingen) の作品ではないかとされています。また、右の、左手にカードを掲げるキューピッドの絵は、アラールトの兄カーザル・ファン・エーフェルディンヘンの作品だといわれています。この『ヴァージナルの前に立つ女』は、作品の大きさと描かれているものの類似性から、『ヴァージナルの前に座る女』と対になる作品ではないかと考えられています。
制作年
1670年から1672年ごろ
素材/技法
キャンバスに油彩
制作場所
デルフト