銀の扉に触れる

Touch the silver door

船越桂

作品解説
『銀の扉に触れる』は舟越桂の1990年の作品です。舟越桂は1980年頃から楠を素材に半身像を制作しています。この作品はモデルの特徴が出ておらず素朴です。白いシャツにジャケットを着た木彫りの男性像はまっすぐと遠くを見つめています。しかしどこか哀愁を感じる表情です。「少し奥があって、精神性が深い、過去に悲しいものを持っているような人間」と彼が言うように、普遍的な人間の精神性を表わそうとする作品です。両眼を少し外に向けることで、鑑賞者と目が合うことはなく、それにより遠くを見つめているような効果が生まれています。
制作年
1990年
素材/技法
楠に彩色、大理石
制作場所
日本
所蔵美術館
ジャンル