風のある部屋

Room with wind

船越桂

作品解説
『風のある部屋』は舟越桂の1992年の作品です。物心ついたときから西洋美術や石膏像などを見て育ち自分も彫刻家になるのだろうと考えていたという彼の作品は、ミケランジェロや運慶、さらにはエジプト彫刻にも注目し、自分の作品に落とし込んでいます。西洋的な雰囲気を持ち、どの他の彫刻作品とも違う独特の存在感を放っています。1980年代から木彫り彫刻を制作し続けていた舟越は、1992年ごろの作品には胴体部に大きな特徴が現れてきます。写実的なリアルな表現ではなく、非現実的な要素が加わるのですが、『風のある部屋』にもその兆しが見られます。片腕はブラウスの袖から出てまっすぐ伸びていますが、もう片方の腕は胴体と一体化しています。
制作年
1992年
素材/技法
楠に彩色、大理石
制作場所
日本
所蔵美術館
    株式会社西日本シティ銀行
ジャンル