洗礼者聖ヨハネ

John the Baptist

レオナルド・ダ・ヴィンチ

作品解説
制作の詳しい経歴は不明ですが、ダ・ヴィンチ最晩年の作品とされています。晩年、ダ・ヴィンチはローマを去り、失意の中フランソワ一世の招きでフランスに移り住みます。こちらはその際に描いたものとされています。この作品と、『モナリザ』そして『聖アンナと聖母子』は、ダ・ヴィンチが生涯手元に残したものとして、現在もフランスにあります。この洗礼者聖ヨハネの肖像は、モナリザを思わせる端正な顔立ちと微笑みをしていています。ヨルダン川でキリストの洗礼を行なったとされる聖ヨハネは、都市生活から離別し、神の審判が迫ることを説いて回りましたが、ヘロデ王の娘サロメの願いにより斬首刑にされました。ダ・ヴィンチがよく描いた人差し指を天に向けるポーズは、救世主キリストの到来を予告しているといわれています。
制作年
1513年から1516年
素材/技法
板に油彩
制作場所
フランス
所蔵美術館
    ルーブル美術館