灰色の山

Ash Color Mountains

会田誠

作品解説
一見すると巨大で薄汚いゴミの山のように見えるこの作品ですが、実はスーツを着たサラリーマンの格好をした人がモティーフとして描かれています。縦3メートル、横7メートルの大作ですが、あまりの精巧さに本当に手描きなのか疑いたくなるほどです。背景をよくよく見てみると、手前の山の後ろにも無数の山があるのがわかります。今までもこれからも続いていくかのような光景の中には一欠片の希望さえも無いかのように思えます。まるで使い捨てにされて要らなくなったから決められた場所に捨てられたゴミのように折り重なる人々には表情がなく、生気も感じられません。タイトルにもある通り、彩りのない永遠の「灰色」の世界が広がっています。
制作年
2009-2011
素材/技法
アクリル絵具、キャンバス
制作場所
日本
所蔵美術館
    タグチ・アートコレクション
ジャンル