青楓瀑布図

Green Maple and Waterfall

円山応挙

作品解説
『青楓瀑布図』には勢いよく一直線に流れ落ち、滝壺で飛沫を上げる流水が描かれています。 1787年のこの作品は円山応挙54歳の作品で、円熟した構図を筆遣いが感じられます。京都の画家・円山応挙の画風は、本図のように写生を重視した平明な写実性を特色としており、やがてそれは円山派という一つの様式を確立しました。円山応挙は、かつて日本の美術の中心であった狩野派に学んでいますが、やがて18世紀になると時代は円山派に移り変わっていきます。この『青楓瀑布図』には詩が描かれていますが、これは応挙と親交のあった儒学者・皆川淇園の題詩です。今にも水しぶきが飛んできそうなこの作品には青楓が画面上に上品に描かれ、夏の納涼を感じさせてくれます。
制作年
1787年
素材/技法
軸装 紙本淡彩
制作場所
日本
所蔵美術館
ジャンル