百蝶図
handred butterflies
円山応挙
作品解説
『百蝶図』は1775年の円山応挙によって描かれた作品です。円山応挙は1733年に生まれ、京都画壇を牽引した円山派の始祖として知られています。円山派は写生を重視し、日本絵画の伝統的な画題を扱いながら装飾性豊かな画面の様式を持っています。卓越した画技と平明で親しみやすい画風から、応挙画は三井家をはじめとする富裕な町人に大変人気がありました。この作品では小さな蝶が美しく羽ばたく様子が描かれており、野の草花はあえてふんわりと描かれており、一層蝶々たちの写実性が際立ちます。円山応挙は絵画やスケッチではなく、自然界から直接絵を描き徹底的に観察していたといいます。写真を見て描くこともできないこの時代、円山応挙の努力と才能は抜きん出ていたことでしょう。
制作年
1775年
素材/技法
絹本著色
制作場所
日本