猛虎図
tiger
円山応挙
作品解説
1775年の『猛虎図』は大英博物館が所蔵する作品です。円山応挙は数多く虎を描いています。彼は写生主義を唱えて江戸後期の画風に変革をもたらした京都の画家として知られていおり、いつも作品を描くときは絵画やスケッチを参考にするのではなく、実物を徹底的に観察して描いていました。実は虎は見たことがありませんでした。これは円山応挙が登場するまでは異例のことでした。しかし、円山応挙の生きた江戸時代には日本には虎がいませんでした。円山応挙は虎の毛皮の敷物を観察して虎の毛並みを写生したと言います。彼の写実性へのこだわりは強く毛並みはかなり細かい筆で描かれています。またこの掛け軸の狭いすき間からこちらを睨みつける構図も、円山応挙ならではのセンスです。
制作年
1775年
素材/技法
絹本著色
制作場所
日本