瀑布亀図

waterfall and turtles

円山応挙

作品解説
1794のこの『瀑布亀図』は円山応挙が亡くなる前年に描いた絵であり、この時61歳でした。円山応挙は「付立て」という技法を駆使していました。1本の筆の全体に淡墨、先端の部分に濃墨を含ませて、一筆で濃淡を表現する技法です。墨の濃淡の差で表現された亀は円山応挙らしく写実的で、親亀と子亀が2匹で仲良く岩の上で休んでいる様子はなんとも可愛らしく和やかな作品です。応挙は常に懐中に写生帖を忍ばせ、暇さえあればスケッチに余念がなかったといい、この亀もおそらく実際にスケッチされたものを元に描かれています。卓越した画技と平明で親しみやすい画風から、応挙画は三井家をはじめとする富裕な町人層に好まれました。
制作年
1794年
素材/技法
絹本墨画淡彩
制作場所
日本
所蔵美術館
    個人蔵
ジャンル