八ツ橋図屏風
Irises at Yatsuhashi
尾形光琳
作品解説
『八ツ橋図屏風』は尾形光琳が50代前半頃に手がけたとされる作品です。平安時代の歌物語「伊勢物語」の第九段「八橋」の場面を描いた作品で、同様の主題を描いた『燕子花図』をこの前に製作しています。『燕子花図』では描かれなかった八橋本体が描かれており、画面中央を右上から左下へ伸びる八橋は独特の存在感を醸し出しています。幕末に活躍した江戸琳派の絵師である酒井抱一がはこの光琳の本作をモデルに『八橋図屏風』を制作しています。鮮烈に描きだされた燕子花と彩度の低い八橋、そして背景の金箔は江戸時代のみならず現代にも通用する光琳の美的センスが感じられます。『八橋図屏風』は現在はメトロポリタン美術館に所蔵されています。
制作年
1711-1714年頃
素材/技法
紙本金地着色
制作場所
日本