菊図屏風
Chrysanthemum
尾形光琳
作品解説
『菊図屏風』は尾形光琳らしいダイナミックでファッショナブルとも言える、センスが発揮された作品です。ここに描かれた白い菊は左隻と右隻で配置が異なります。「光琳菊」と呼ばれ、着物の模様の名称にもなっている菊はざっくりと大胆に描かれるところが特徴です。また中央部分は余白が取られています。大画面の装飾的な屏風絵を得意としどの作品にも都市的な感覚と意匠があふれている彼の作品は江戸の裕福な町人や大名、公家から役人までさまざまな人々に人気がありました。このようなデザイン性に優れた彼の作品はファッションの先端だった呉服商に生まれたことが影響していたのかもしれません。いずれにしろ光琳の美的感覚は現代でも通用する美しさを持っています。
制作年
18世紀
素材/技法
紙本金地着色
制作場所
日本