群鶴図

Cranes

尾形光琳

作品解説
『群鶴図』は鶴19羽が優雅に左右から中心に向かって歩いている作品で、六曲一双から成ります。金地のベースに白黒のみで彩られた鶴を安定した構図で配置するのは、尾形光琳らしい大胆かつ洗練された作品であると言えます。左側の一話の鶴だけが首を低くしている構図もアクセントになっています。独特の雅かつ明快なセンスが発揮される尾形光琳の作品ですが、実は光琳は浪費家で、呉服屋の父から相続した莫大な財産を使い果たしたため、家業の経営難で激減した収入を絵で補うというところから画家としてスタートしたのでした。それでも彼の顧客には富裕層の町人、大名、役人などがおり、当時から人気を博していました。ファッションの先端だった呉服商に生まれたことも彼のセンスが磨かれた理由の一つでしょう。
制作年
17~18世紀
素材/技法
紙本金地着色
制作場所
日本
所蔵美術館
ジャンル