絞首台の上のカササギ

The Magpie on the Gallows

ピーテル・ブリューゲル

作品解説
『絞首台の上のカササギ』は1568年に制作された作品で、この作品には様々な寓意が込められています。カササギは「陰口」を暗示する密告者の象徴とされており、絞首台の上と岩の上に一羽ずつカササギがとまっています。絞首台のすぐそばで踊る農民たちは愚かな者たちとして描かれています。魔女裁判や異端審問が最も厳しかった時代の16世紀は、ネーデルランドを統治するスペイン・ハプスブルク家への抵抗運動も盛んな時代でした。密告が推奨されていたこの時代、楽しく踊る農民たちにも何か密告されるような秘密を抱えているように暗示されていると捉えらえます。またこの作品は絞首台がねじれて引き伸ばされているように見えます。これは当時の流れであったマニエリスムを取り入れています。
制作年
1568年
素材/技法
油彩パネル画
制作場所
ベルギー
所蔵美術館
    ヘッセン州立博物館