美しき女庭師

The Beautiful Gardener

ラファエロ・サンティ

作品解説
『ヴェルヴェデーレの聖母』と同年代に描かれ、ルーヴル美術館によって広く知られるようになった『美しき女庭師(聖母子と幼児聖ヨハネ)』。ヴェルヴェデーレの聖母と同じように、遠くまで見渡せる明るい景色の中で、聖母子と聖ヨハネが戯れています。躍動感ある表現は、ミケランジェロの影響でしょうか。牧歌的な印象を受けますが、聖母マリアの左側で聖書に手を伸ばすキリストに、受難の予兆が垣間見えます。聖母子像はゴシック期から多く描かれてきましたが、ラファエロはそこにより母性を強調させ、それは高く評価されました。聖母子の構図で出てくる聖ヨハネは、ヨルダン川でキリストへ洗礼を行うのですが、そのテーマだと大人として描かれますが、このような聖母子像では幼子として扱われることが多いです。
制作年
1507年
素材/技法
板に油彩
制作場所
フィレンツェ
所蔵美術館
    ルーブル美術館