大公の聖母

Madonna del Granduca

ラファエロ・サンティ

作品解説
『大公の聖母』とは、所有者であるトスカーナ大公フェルディナンド3世によるものです。背景が黒いので、聖母子はまるで浮かび上がるように感じられます。ただし、この黒い背景は黒い背景は後世の加筆です。しかも2層になっているので、元の姿に戻すのは不可能とされています。来歴には謎が多く、19世紀になるまではっきりしませんでした。ラファエロの新作かどうかは、発見当時から認められていましたが、黒い背景は問題とされました。これはラファエロ自身が塗ったものでしょうか? それとも他の誰かが施したのでしょうか。そして、1984年に行われた調査で、やはりラファエロは黒い背景ではなく、室内空間を描こうとしていたと判明するのです。今では17世紀から18世紀にかけて、背景の保存状態の悪さを隠すために、黒色が熱く塗られたと考えられています。
制作年
1505年から1506年ごろ
素材/技法
板に油彩
制作場所
フィレンツェ
所蔵美術館
    パラティーナ美術館