聖母の結婚

Sposalizio della Vergine

ラファエロ・サンティ

作品解説
この作品は、ラファエロの青年期、21歳の時に、有力な権力者だったアルビッツィーニ家の依頼で、ペルージャ近郊チッタ・ディ・カステッロのサン・フランチェスコ聖堂サン・ジュゼッペ礼拝堂に置く祭壇画として制作されました。テーマは、聖母マリアが14歳の時に、神殿の司祭長のもとへ訪れた天使が、「国中の独身者に一本、杖を持たせて集めよ。そして杖の先に花の咲いた者を(聖母マリアの)夫として選べ」と伝えられれるのですが、その花が咲いたのは大工のヨセフの手にする杖の先でした。これによりヨセフは聖母マリアの夫として選定され、両者で結婚の儀式をおこないます。そのシーンが≪聖母マリアの結婚≫なのです。画面の左側には、マリアと五人の女性が、左側にはヨセフと剪定に漏れた男性が描かれています。そして中央では司祭が毛音韻の印の指輪をマリアにはめようとしています。本作は、青年期の作品だということもあってか、絵の師ペルジーノの優美さと甘美性が見られます。
制作年
1504年
素材/技法
キャンパスに油彩
制作場所
フィレンツェ
所蔵美術館