凍えるウェヌス
Venus Frigida
ピーテル・パウル・ルーベンス
作品解説
ピーテル・パウル・ルーベンスが残した寓意的神話画の傑作の一つ『凍えるウェヌス』は1614年頃に描かれ、アントウェルペン王立美術館に所蔵されています。愛を司る女神ヴィーナスも、美食と酒がなければ醒めてしまうという寓意を表しており、ピーテル・パウル・ルーベンスの作品である『ケレスとバッコスがいないとヴィーナスは凍えてしまう』と同様の寓意を描いていますが、構図は全く違います。こちらでは美食の神ケレスと酒の神バッコスは描かれず実際にヴィーナスが凍えています。ヴェネツィアでティツィアーノから画面構図の表現、ローマでミケランジェロから肉体表現を学んだルーベンスのその両方の影響が顕著に見られる作品になっています。
制作年
1614年頃
素材/技法
油彩・板
制作場所
アントワープ