幻覚剤的闘牛士

The Hallucinogenic Toreador

サルバドール・ダリ

作品解説
偏執狂的批判的方法が使われている「幻覚剤的闘牛士」では、見慣れないモチーフと馴染みのあるモチーフなどを組み合わすことによって、ダリ独自の視覚表現が繰り出されています。作品にはスペインの国旗を暗示させる赤と黄色のトーンが使われていて、メインは闘牛場の内部ですが、その中にはダリの妻ガラの肖像や、様々な色の円形模様、死んだ牛の頭、湾の光景など様々なイメージが描かれています。ガラの表情からは、彼女の闘牛嫌いだった様子が投影されています。また作品の中には、ミロのヴィーナスが28体描かれており、ニューヨーク滞在中に買った鉛筆の箱に描かれていたミロのヴィーナスをもとに、その箱の余白に色々なものを書き足していったことが創作のきっかけとなったそうです。
制作年
1970年
素材/技法
キャンバスに油彩
制作場所
不明
所蔵美術館
    ザ・ダリ・ミュージアム