最後の晩餐

The Sacrament of the Last Supper

サルバドール・ダリ

作品解説
「最後の晩餐」は同じタイトルで最も有名なレオナルド・ダ・ヴィンチが描いた最後の晩餐をダリが再構成して書き直した作品です。ダリは伝統的なキリスト教とはマッチしないともいえるシュールレアリスムの手法をこの作品で用いています。例えば、舞台は近未来的な構造物ですし、ダリは「聖体拝受はシンメトリックでなければならない」と考えており、キリストを中央に12使徒達が左右に秩序正しく配置されています。また、この作品では、12人の使徒、12面体の構造物、キリストの指が12を指しているように見えることからも、12という数字が隠れたテーマになっていると言われています。ダリ自身は熱心なカトリック教徒でしたが、この作品を描いた1950年代は原子理論と宗教を融合させていた時代でもあり、シュールレアリスムによって描かれたこの作品は、伝統を重んじる宗教界から批判を浴びることになりました。
制作年
1955年
素材/技法
キャンバスに油彩
制作場所
不明
所蔵美術館
    ナショナル・ギャラリー