瞑想するバラ

the meditative rose

サルバドール・ダリ

作品解説
「瞑想するバラ」を描いた1958年はダリが原子核的神秘主義についての著作「反物質宣言」を発表した年でもあります。これまで用いていたダブルイメージの手法は使っておらず、青空にバラの花が浮かんだこの作品はシンプルながらも、ダリのもつ卓越した技術が、いかんなく発揮された作品と言えます。ダリはバラを愛や女性の表現として用いており、ダリにとっての女性、妻ガラを表していると言えます。大きなバラには、水滴が付いていて、みずみずしい新鮮さや生命感を感じる愛を描いています。バラが瞑想する様子は、ダリを支えたガラの愛を表現しているのかもしれません。
制作年
1958年
素材/技法
キャンバスに油彩
制作場所
不明
所蔵美術館
    プライベートコレクション