器官と手

Apparatus and Hand

サルバドール・ダリ

作品解説
9か月の兵役から帰還したダリが、フロイトの著作に影響を受けて作成したフロイトの時代におけるシュルレアリスムの代表作です。タイトルにある「器官」は中央に描かれた幾何学的造作を指しており、この器官は腕や足、目、頭といった人体の造形に類似した構成となっています。左下にはダリが良く使う動物のモチーフであるロバがおり、ロバの腹部に群がる大群のハエは、生物の腐敗、死を表現しています。そして、幾何学的造形の上にある「手」は、オナニズムを、周りに描かれた幽霊のようなものは女性を象徴しており、女性に対する不安と興奮を表現した作品です。
制作年
1927年
素材/技法
キャンバスに油彩
制作場所
不明
所蔵美術館
    フロリダ・ダリ美術館