黄初平図

雪舟

作品解説
簡潔な筆づかいで、中国晋時代の仙人・黄初平が石を羊に変える姿を躍動的に描いた作品です。このスタイルは中国南宋時代の宮廷画家・梁楷のスタイルに倣ったもので、日本の初期水墨画を代表する画僧・如拙も得意としたものです。如拙は、雪舟の師・周文のそのまた師に当たる禅僧。雪舟も彼を深く敬慕し、その遺作である「牧牛図」を愛蔵していたことが知られています。雪舟がはじめ「拙宗」と名乗ったのも、如拙に対するリスペクトの表れなのでしょう。この「黄初平図」はもともと12点ワンセットとして制作されたものですが、現在は本図のほか、夏珪や玉澗、李唐に倣った5点のみが残っています。京都国立博物館所蔵、重要文化財です。
制作年
室町時代・15世紀
素材/技法
一幅 紙本墨画
制作場所
日本
所蔵美術館
ジャンル