槙楓図

Chinese Black Pines and Maple Trees

俵屋宗達

作品解説
『槙楓図』は俵屋宗達が17世紀に描いた作品と言われています。この作品は屏風左下に宗達の別号である「対青軒」という印が捺されていますが、他の作品に見られる落款がないため「伝俵屋宗達筆」と表記されるに止まります。しかし細部の描写技法や構図が俵屋宗達の様式を持っており、さらに俵屋宗達の作品を多く模写していた尾形光琳がこの『槙楓図』を製作していることから、当時からこの作品が優れた作品であるとみなされており、俵屋宗達によって描かれた可能性は十分にあります。俵屋宗達は知名度の高さと後世への影響の大きさに比べ、その生涯には不明が多く彼に関する詳しい資料はありません。しかし京都で「俵屋」という当時絵屋と呼ばれた絵画工房を率い、天皇や武家を顧客にしていたことから、優れた絵師として当時から知られていたのは確かです。
制作年
17世紀
素材/技法
紙本金地・彩色
制作場所
日本
所蔵美術館
    山種美術館蔵
ジャンル