黄樹
草間彌生
作品解説
京都・祇園に屋を構える「フォーエバー現代美術館 祇園・京都」の第1展示室を飾るのが、この「黄樹」です。「黄樹」はもともと1994年に開催された長野県信濃美術館での個展出展作品。フォーエバー現代美術館の館長が草間作品を収集するきっかけとなった作品でした。もともと秋田で活動を展開してきたフォーエバー現代美術館が祇園に移ったのは2017年。その建物は、都をどりの会場として知られる有形文化財、祇園甲部歌舞練場内の「八坂倶楽部」。大正2年に建てられた伝統的日本建築の建物です。日本建築では、部屋の間仕切りの殆どが障子や襖で構成されているため、美術品は床の間に展示し、襖そのものに障壁画として絵を描く様式でした。この美術館では、本来障壁画が描かれる襖を、現代美術の展示が可能な展示壁として整備。伝統文化と現代美術が融合した新しいアート空間を提供しています。この「黄樹」は、黄金色の枝とも根ともつかない物体がうねうねと絡みあう、不思議な躍動感と生命力に溢れた作品です。伝統的な日本建築の中にあって、まるで日本画の巨匠による障壁画のようにも見えますね。
制作年
1992年
素材/技法
不明
制作場所
日本