無限の網 イエロー

Yellow Infinity Net

草間彌生

作品解説
「無限の網イエロー」は、一面の黄金の画面を細かな網の目で埋め尽くした作品です。1957年秋に単身アメリカに渡りニューヨークで活動を開始した草間彌生は、小さな網目状のストロークでキャンバスを埋めていくネット・ペインティングで注目を集めるようになります。1959年にニューヨークで初めて発表された「無限の網」シリーズは、黒い背景を白い網目で覆い尽くし、一層の白で上塗りを重ねるという手法で描かれました。その高い独自性と芸術性は美術評論家たちの賞賛を浴び、この「無限の網イエロー」も、草間と親交のあった戦後アメリカの代表的な抽象画家フランク・ステラが購入し、長らく自宅に飾っていたものです。草間によると「水玉」の集積を反転したものが網の目であり、両者はネガポジの関係にあります。強迫観念に駆り立てられながら、水玉や網の目で空間、そして自分自身を覆い尽くし、自己を消滅させる作品を作り続けた草間。世界的な芸術家となってからも折りにふれ原点に立ち返るように描かれる「無限の網」は、草間にとって重要な作品群であることが伺えます。
制作年
1960年
素材/技法
キャンバスに油彩
制作場所
アメリカ
所蔵美術館
    ナショナル・ギャラリー
ジャンル