無我
Selflessness
横山大観
作品解説
無我(むが)は29歳の大観が禅的な悟りの境地を無心の童子で表現した斬新な作品で、こちらの足立美術館以外に、同じタイトルが合わせて3枚存在し、それぞれ東京国立博物館と水野美術館にあります。面白いのは、その3枚とも大観が29歳の時に制作されたものにも関わらず、全て画風や雰囲気が異なる点です。ただ、3枚に共通するのは川辺の背景に柳の芽が生い茂りはじめている自然感であり、童子の邪気のない存在そのものに時間軸が加わり、普遍性と現実の狭間を見ることができます。
制作年
1897年
素材/技法
絹本着色
制作場所
東京