群青富士

Mt.Fuji Dyed Ultramarine

横山大観

作品解説
群青富士(ぐんじょうふじ)は大観の作品の中では自由で柔軟な造形が突出しており、大正期らしい時代性を感じる独特の世界観があります。その自由さには、例えば画面全体に漂う琳派の影響もその一つで、斬新さの中に日本の伝統が活かされており、その感覚は100年過ぎた今でも新しい試みに映る魅力があります。また、重厚な金地に力強い群青の富士と存在が見て取れる山肌の雪の白は、雲海の力強さをも超えたゆるぎなさがあり、鮮烈な色彩でありながらも完結されているのが実に見事です。
制作年
1917年
素材/技法
絹本着色
制作場所
東京
所蔵美術館
ジャンル