白衣観音
Byakue Kannon
横山大観
作品解説
白衣観音(びゃくえかんのん)は100年近く行方が分からなくなっていた作品で、1912年の『大観画集』にモノクロで掲載されて以来の発見が話題となりました。作品は、水辺の岩に腰掛ける白衣観音が絹地に彩色されて描かれており、朦朧体と揶揄されていた時期の作品としては、そこから脱却しようと試行錯誤している跡がうかがえます。全体的なバランスは決して優れているとは言えない作品ではありますが、歴史的な資料としては価値のある作品と評価されています。ただ、緻密さや立体感に物足りなさはあるものの、大観の自由な発想と熱意がストレートに伝わる作品だと言えます。
制作年
1908年
素材/技法
絹本彩色
制作場所
東京