藤花図
The Rattan (Calameae)
円山応挙
作品解説
円山応挙は1733年に生まれ、京都画壇を牽引した円山派の始祖であり、中でも1776年の『藤花図』は6曲1双の紙本金地着色からなる彼の傑作の一つとして知られています。1749年頃から狩野派の絵師石田幽汀に入門し学んでいた円山応挙の絵には狩野派の大胆で美しい構図が見られますが、同時にそれまでのどの画派とも違う藤の写実表現、独特に描かれた幹のうねりが見られます。幹や蔓は刷毛さばきによる付立て(つけたて)という技法が用いられています。中国絵画を学び徹底した写実性を求めながらも、裸形着衣法、付立て、片ぼかしといった技法を使い、細密な表現で作品を製作した円山応挙は、18世紀の京都画壇では狩野派を凌いで人気絵師となりました。
制作年
1776年
素材/技法
紙本金地着色
制作場所
日本