シルクスクリーン

screen printing
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シルクスクリーンは孔版画と呼ばれる技法の一種で、メッシュ状の版に穴を作り、穴の部分にだけインクを落として印刷するとてもシンプルな技法です。Tシャツや生地などの布製品、リモコン、販売機の側面、電子基板などあらゆるシーンで活用されています。シルクスクリーンの製版は主に写真製版法という方法を用い、メッシュに感光乳剤を薄く塗布して光を通さないインクで描いた版下を重ね、感光させることでインクの透過する部分としない部分を作ります。印刷したいものの上に版を置き、版に直接インクを乗せて、スキージーというヘラを引きます。そうすると穴が開いている部分だけインクが落ちて、印刷ができるという仕組みです。シルクスクリーンの利点は主に5つあります。第一に必要な設備が小規模で安価なこと。日本の一般家庭に普及したプリントごっこは、まさにこの利点を生かしたコンパクトさが鍵でした。第二に適切なインクを選択することにより、さまざまな素材への印刷が可能であること。布に対する印刷は、プリント布地やプリントTシャツの作成などテキスタイルの分野で広く活用されています。第三に版自体に柔軟性があるので、曲面にも印刷できること。第四に版を複数作ることで多色印刷が可能であること。原稿がカラー写真のようなものであっても、元の色をシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色に分解すれば、その組み合わせで元の色を再現することができます。アンディー・ウォーホルが使ったのは、この手法でした。最後に、版の図像が反転しないこと。版のメッシュを通過してインクが落ちるので、他の版画技法と異なり、原画を鏡像にしてから版を制作する必要がありません。これらの利点により、シルクスクリーンは幅広い分野で活用される便利な印刷方法となり得ているのです。
関連アーティスト
アンディ・ウォーホル,草間彌生,キース・ヘリング