山水画

shan shui(Chinese-style landscape painting)

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中国に起源をもつ自然を題材とした東洋画の一ジャンルで、人物画、花鳥画とともに東洋絵画の三大ジャンルのひとつに数えられます。
山岳を霊的・精神的な存在として捉える中国人の自然観を反映しており、その点で西欧のいわゆる風景画とは根本的に異なります。
道教思想や陰陽五行説などを背景としており、特定の風景をありのままに描くのではなく、高い精神性に基づく理想的・普遍的な自然を描くのが特徴です。
山水画が本格的に描かれるようになるのは六朝時代で、唐代後半から北宋時代にかけて黄金時代を迎えました。
南宋時代になると情緒的な表現が見られるようになり、元代には北宋と南宋の伝統が混じり合い、文人らの支持する南宗の山水画が生まれました。
以降の明清時代はこうした文人山水画が主流となりました。
日本においては飛鳥時代から山水の風景は描かれており、それぞれの時代に中国山水画の影響を受けながら作品が生み出されてきました。
これとは別に、日本固有の四季絵や名所絵の伝統にのっとった「大和絵」の系譜もありましたが、鎌倉時代に宋代の画家たちの水墨山水画が中国から輸入されたことで、山水画が大いにもてはやされることとなりました。
この時代の代表的な山水画家は雪舟で、彼は中国画の模倣から脱し、独自の日本的な山水画を確立しました。
江戸時代に入ると、狩野探幽が山水画に大和絵の要素を融合させ、平明で瀟洒、装飾的な山水画様式を生み出します。
以降、写生を重視した円山応挙の登場や、実景描写への関心の高まり、実際に名所・景勝を訪れて制作する「真景図」の誕生など、実際の風景のあるがままを描こうとする風潮が高まりました。
ありのままの自然を描くことを志向する「真景図」はのちの近代的「風景画」への第一歩でもあり、自然の普遍的な姿を表現しようとする山水画の解体、もしくは山水画の近代的変質ともいえるムーブメントとなったのです。

関連アーティスト
雪舟,狩野芳崖