クリスチャン・ボルタンスキー
Christian Boltanski1944年年-
失われたものや記憶、幼年期や死を一貫したテーマとした作品が評価され、今日では巨匠と言われるまでになりました。
瀬戸内国際芸術祭や越後妻有アートトリエンナーレなど日本での活動も精力的に行ってきましたが、近年では2010年の瀬戸内国際芸術祭の際に豊島に開館した「心臓音のアーカイブ」、「ささやきの森」などといったインスタレーション作品が注目を集め、豊島の観光誘致に大いに貢献しています。
彼はユダヤ系フランス人の父親を持ち、幼少期には常に強制収容所に送られた周囲の同胞ユダヤ人の存在が心の中にありました。
こうした経験が彼の作品に大きく影響し、彼の芸術の出発点となりました。
「過去の記憶を保存する」目的から始まり、ホロコーストや死といったテーマで、見る者の直感に訴える表現を続けてきたのです。
ボルタンスキーは当初絵を描いていましたが、粘土の玉をひたすら続け、その後はインスタレーション作品を手がけていきます。
彼は多彩な素材と方法を用いて、古い写真や廃材、古着、また廃墟となった建物などを活用することもあり、空間全体を使い観客が作品を体験できるのが魅力の一つとなっています。
1944年 フランス・パリに生まれる。
1968年 短編映画と彫刻作品をパリのラヌラグ劇場に出品、初個展となる。
1975年 ヴェネチア・ビエンナーレへ出品。
1985年 インスタレーション作品 「モニュメント」シリーズを作り始める。
1994年 アーヘン芸術賞受賞。
1998年 パリ市近代美術館で個展開催。
2000年 「第一回大地の芸術祭 越後妻有アート・トリエンナーレ2000」に参加。
2007年 高松宮殿下記念世界文化賞日本美術協会賞