杉本博司

Hiroshi Sugimoto        
1948年-
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国籍
日本
 
アーティスト解説
杉本博司は、東京とニューヨークを活動の拠点としている日本の写真家です。「写真には嘘をつかせない」というモダニズムの倫理を守ろうとしており、現在まで続く作品シリーズには一貫したコンセプトと高度な撮影技術を見ることができます。
1948年東京に生まれ、立教中学時代に鉄道模型に熱中したことから鉄道写真を通じて撮影を始めます。大学卒業後の1970年に渡米し、ロサンゼルスにあるアートセンター・カレッジ・オブ・デザインにて写真を学びました。
1974年よりニューヨークに拠点を移し、写真家のアシスタントなどを勤めていましたが、1976年にアメリカ自然史博物館の展示を本物の風景のように撮影した『ジオラマ』シリーズ(1975年-1999年)の1枚が、ニューヨーク近代美術館のキュレーターに高評価を得て買い取られる名誉を得ます。その後、写真作家として生きる道を選択し、自身のスタジオを構えることとなりました。
同時期に発表された作品に、映画の上映中シャッターを開き続け、長時間露光することによって撮影された『劇場』シリーズ(1975年-2001年)がありますが、杉本博司の作品に見られる「時間」や「歴史」を視覚化した厳密なコンセプトや、またそれを実現させる高度な撮影技術も併せ、世界的に高く評価されてきました。ほかにも20世紀の有名建築を無限遠の倍という焦点距離で写した『建築』シリーズ(1997年-2002年)や、闇の中の一本の和蝋燭が燃え尽きるまでを露光した『陰翳礼讃』(1998年)が名高く知られています。世界の海を同一構図で写した『海景』シリーズ(1980年-2002年)は、ロックバンドU2が2009年に発表したアルバム『No Line On The Horizon』のジャケットに使用され話題となりました。
また、写真作家として活動を始めた当初、資金集めのために始めた古美術商「MINGEI」を10年ほど営み、その経験によって日本の古美術・古建築・古典文学への造詣が深く、現在は内装や能舞台、また神社などの建築に関わるなど、仕事は多岐に渡っています。
経歴

    1948年 東京に生まれる。

    1970年 立教大学卒業後渡米。ロサンゼルスのアートセンター・カレッジ・オブ・デザイン入学。

    1974年 ニューヨークに拠点を移し写真制作を開始。

    1975年 『ジオラマ』シリーズ(-1999)、『劇場』シリーズ(-2001)の制作を開始。

    1976年 『ジオラマ』シリーズのうち1枚が、ニューヨーク近代美術館にて高評価を得る。

    1977年 東京の南画廊にて初の個展を開催。

    1978年 ニューヨークのソーホーに古美術商ギャラリー「MINGEI」を開業。

    1980年 『海景』シリーズ(-2002)の制作を開始。

    1981年 ニューヨークのソナベンド・ギャラリーにて個展を開催。

    1989年 毎日芸術賞を受賞。

    1994年 『恐怖の館』シリーズ(-1999)の制作を開始。

    1995年 『仏の海』シリーズの制作を開始。

    1997年 『建築』シリーズ(-2002)の制作を開始。

    1998年 『陰影礼賛』シリーズの制作を開始。

    1999年 『肖像写真』シリーズの制作を開始。

    2001年 『松林図』を発表。ハッセルブラッド国際写真賞を受賞。

    2002年 「直島・家プロジェクト」にて『護王神社-アプロプリエイト・プロポーション』を設計。

    2004年 『観念の形』シリーズ 、『影の色』シリーズ(-2005)の制作を開始。

    2005年 森美術館を皮切りに世界巡回する回顧展『杉本博司 時間の終わり』展を開催。

    2007年 『放電場』シリーズの制作を開始。

    2008年 金沢、大阪にて『歴史の歴史 杉本博司』展(-2009)を開催。

    2009年 高松宮殿下記念世界文化賞を受賞。静岡県三島に自ら設計した写真美術館を開館。

    2010年 紫綬褒章を受賞。

    2013年 フランス芸術文化勲章オフィシェを受賞。

    2016年 東京都写真美術館の総合開館20周年記念『ロスト・ヒューマン』展を開催。

    2017年 杉本芸術の集大成として、複合文化施設「小田原文化財団 江之浦測候所」を開館。文化功労者に選出される。