船越桂

Katsura Funakoshi        
1951年-
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国籍
日本
 
アーティスト解説
舟越桂は岩手県生まれの彫刻家で、父は日本彫刻界重鎮である舟越保武です。父の強い影響で子供の頃から彫刻家を志しますが、ブロンズや大理石彫刻を専門とした父とは異なって木彫を選択。適度な硬さとやわらかさを持ち、よい香りと人肌に近い色を持つクスノキなどを素材として、繊細で独特な姿を持つ人物像を制作してきました。1980年代から90年代の初め、彫刻家キャリアの初期においては、舟越桂は肖像性の高い胸像を主に制作しました。大理石の玉眼を使い両眼を外に向けるため、胸像と鑑賞者の目が合うことはありません。そのため、彫刻があたかも遠くを見つめているような効果が生まれます。2000年代の初め頃までは、頭部と胴体の前・後が逆で、手も通常ではあり得ない位置にある彫刻や、山に見立てた胴体や2つの頭をひとつの胴体で共有するといった変形を備える彫刻が生み出されるようになります。こうした異形性は以後の作品でより本格化、様々な造形的可能性が開けていきます。2003年作の人間と動物の混交した彫刻「夜は夜に」や2005年からの「スフィンクス・シリーズ」など、異形の姿を取る彫刻が頻出。同時に裸体表現が主となり、これまでの頭部集約的な自身の表現を西洋の具象彫刻の基本である裸体表現に統合される試みが始まります。舟越桂が追求する異形表現は、「人間とはどんな存在か」という本質的な問いかけです。2つの頭がひとつの胴体を共有している像は、人はいつも誰かに支えられて生きていることを表現したもの。まぶたにも目が付いている人の像は、自分だけでなく他人の視点も併せて、様々な角度から物事を見ていることを表します。スフィンクスは「人間のすることをずっと見続けているもの」の象徴。不完全で弱く、悲しいけれども美しい。そんな人間存在への赦しを求めて、舟越桂は静かに遠くを見つめる彫刻を作り続けるのです。
経歴

    1951年 岩手県盛岡市に生まれる。父は彫刻家の舟越保武。

    1975年 東京造形大学彫刻科卒業。

    1977年 東京芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。

    1986年 文化庁芸術家在外研修員として一年間ロンドンに滞在。

    1988年 第43回ベニス・ビエンナーレにグループ展で参加。

    1989年 第20回サンパウロ・ビエンナーレにグループ展で参加。

    1991年 タカシマヤ文化基金第1回新鋭作家奨励賞を受賞。

    1992年 第9回シドニー・ビエンナーレにグループ展で参加。

    1995年 第26回中原悌二郎賞優秀賞を受賞。

    1997年 第18回平櫛田中賞を受賞。

    2002年 第33回中原悌二郎賞を受賞。

    2006年 「森に浮かぶスフィンクス」両性具有像を発表。

    2009年 芸術選奨文部科学大臣賞、毎日芸術賞受賞。

    2011年 紫綬褒章受章。

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