ジスモンダ

Poster for ’Gismonda’

アルフォンス・ミュシャ

作品解説
「ジスモンダ」はパリ・ルネサンス座の正月公演「ジスモンダ」のために1894年の暮れに制作されたポスターで、ミュシャの手掛けた初めてのポスターに当たります。ミュシャの出世作であり、当時無名だったミュシャが一躍アール・ヌーヴォーの寵児に躍り出るきっかけとなった作品です。描かれているのは主演女優サラ・ベルナールで、彼女は当時すでに生きた伝説にもなっていた大女優。「ジスモンダ」は中世を舞台とする宗教劇で、ポスター中で彼女が手にしているシュロの枝は「シュロの日曜日」というキリスト教の祭日に因みます。ビザンティン風のエキゾティックな衣裳やサラの印象的なポーズ、モザイクを模したレタリングなど、ミュシャが施した斬新な演出は、新年にポスターが貼りだされると大きなセンセーションを巻き起こすこととなりました。「ジスモンダ」の舞台は大成功を収め、ミュシャは大評判のポスター作家に。このポスターの成功をきっかけにサラはミュシャと6年のポスター契約を結び、以降サラを描いた印象的なポスターが制作されていくことになります。
制作年
1895年
素材/技法
石版画
制作場所
フランス
所蔵美術館
    ミュシャ美術館