バッカスの祝杯
The Feast of Bacchus
ディエゴ・ベラスケス
作品解説
「バッカスの祝杯」はベラスケスが最初のイタリア旅行に行く直前に完成させたもので、ベラスケスが初めて神話を題材にして描いた作品でもあります。酒の神バッカスが、宴に集まった農民たちにブドウの葉の冠を授けているところですが、バッカスは神聖な存在ではなくありのままの自然体で描かれており、まるで日常のワンシーンのようです。この時期、ベラスケスはルーベンスと出会って親交を結んでおり、バッカスのポーズや描写はどこかルーベンスの作風を感じさせます。またこの作品では、それまでのベラスケスの特徴だった光と影のコントラストを用いる技法が使われておらず、自然な風景が背景に描かれており、ベラスケスが新しい境地を開いことをうかがわせる記念碑的な作品です。
制作年
1628年 - 1629年
素材/技法
キャンバスに油彩
制作場所
マドリード
