十字架に吊るされたキリスト

The crucified Christ

ディエゴ・ベラスケス

作品解説
「十字架に吊るされたキリスト」は、ベラスケスが最初のイタリア旅行からスペインに戻った後に、マドリッドのサン・プラシド修道院の依頼で描いた作品だと言われています。ベラスケスはイタリア滞在中にヌードの勉強にはげんでおり、キリストの精神的な美しさを表現するために、その姿を完璧に美しい肉体美で描きました。構図は古典的な聖像図に従っていますが、この絵は「美」の表現を追及している反面、宗教画としての説得力や迫力にはやや欠けています。ベラスケスが得意とする細密な表現と影を用いた技法によって、暗闇に浮かび上がる神の子(希望)をイメージしてキリストを描いたのかもしれません。
制作年
1631年 - 1632年
素材/技法
キャンバスに油彩
制作場所
マドリード
所蔵美術館
ジャンル