蛸と海女
Octopus and sea lady, from Kinoe no komatsu (or Old True Sophisticates of the Club of Delightful Skills)
葛飾北斎
作品解説
「蛸と海女(たことあま)」は、北斎が鉄棒ぬらぬらの号で制作した喜能会之故真通(きのえのこまつ)という上・中・下三巻揃えの艶本のうち、下巻に収録されている木版画のひとつで、おそらくは世界で最も有名な春画です。海女が2匹のタコに捕らえられ、性的快楽を受ける様子を描いており、余白にはセリフが書かれています。北斎がこの作品を描く以前によく似た構図の春画が描かれており、北斎はそれらの作品を参考にしたと考えられていますが、北斎の絵はあまりにもダイナミックで印象深く、以後、多くの芸術家によって模倣されました。現存する原画は極めて少なく、2018年に北斎の春画の一部が復刻制作されることになったとき、この作品はそのうちのひとつに選ばれています。
制作年
1816年
素材/技法
多色刷木版画
制作場所
不明