お岩さん(百物語)
One Hundred Ghost Stories: Ghost of Oiwa
葛飾北斎
作品解説
「お岩さん」は北斎が「百物語」をテーマにして妖怪を描いた化物絵（ばけものえ）のひとつですが、四谷怪談のお岩さんを知らない人はまずいないでしょう。北斎が描いている百物語は、いずれも歌舞伎の演目として取り上げられることが多い作品ばかりですが、お岩さんはその代表格です。けれど、お岩の顔は目がつぶれて額まで大きく腫れあがった様子を表現されるのが一般的なのに対して、北斎は小顔で大きく目を見開いているお岩を描いています。お岩が提灯に乗り移り、提灯の破れた部分を口として恨み言を語っている様は、恐ろしいというより滑稽で可愛らしくさえあります。
制作年
1831年 - 1832年
素材/技法
多色刷木版画
制作場所
不明
