下野黒髪山きりふりの滝(諸国滝廻り)

Kirifuri Waterfall on Mount Kurokami in Shimotsuke Province, from the series Waterfalls in Various Provinces

葛飾北斎

作品解説
「下野黒髪山きりふりの滝」は北斎が全国の有名な滝を描いた名所絵「諸国滝廻り」全8図中の1図です。きりふりの滝は現在の栃木県日光市男体山(なんたいさん)の麓にあり、奥日光三名瀑のひとつで、日本の滝百選にも選ばれています。上下2段に分かれて落下する滝の姿が特徴的で、画面いっぱいに雄大な滝が描かれています。日光東照宮への道すがら、多くの人がこの滝を見物に訪れており、作品の中にも滝を見下ろす旅人と見上げる旅人が描かれていますが、それぞれの眺める先がまったく違っているところに面白さを感じます。なお、鮮やかな滝の青には「ベロ藍」と呼ばれた輸入顔料が使用されており、北斎が作中で極めて印象的にベロ藍を用いたことから、北斎ブルーとも呼ばれています。
制作年
1833年
素材/技法
多色刷木版画
制作場所
栃木県日光市
所蔵美術館
ジャンル