富久寿楚宇
Fukujuso
葛飾北斎
作品解説
「富久寿楚宇」は北斎の春画の中でも極めて有名な作品で、北斎が鉄棒ぬらぬらの号で春画を描いていた時期の作品だと推測されます。春画は今でいうところの「エロ本」に当たりますが、当時は「枕絵」とも呼ばれ、単なる憂さ晴らしの道具ではなく一種の厄除けやお守りとして、枕の下や蔵の中に置かれていました。この作品はタイトルと画像こそ広く知られているものの、記録や現存する原画はほとんどなく、所蔵は海外の個人によるものしか確認できていません。このため、2018年に北斎の春画の中でも世界的に有名な3作品が復刻制作されることになったとき、そのうちのひとつに選ばれました。復刻は絵師・彫師・摺師の三位一体の体制で、昔ながらの木版画技術を継承する職人さんによって行われ、原本に限りなく近い作品が制作されることが期待されます。
制作年
不明
素材/技法
半紙本(多色刷木版画)
制作場所
不明