説教あとの風景

Vision of the Sermon

ポール・ゴーギャン

作品解説
「説教あとの風景」は、ゴーギャンが印象派のスタイルを完全に捨て去り、独自のスタイルで描くことに挑戦し始めた彼の転機を代表する作品です。この作品のタイトルは旧約聖書の一節で、天使とヤコブの戦いがモチーフになっており、画面の右端にひっそりと描かれている牧師の説教を、あたかも目の前の光景として女たちが見ているという、不可思議な構図です。大地は真っ赤な血の色で塗りつぶされ、女たちの白い頭巾が赤い大地を縁取っており、中央に描かれている木がこちら側の現実と向こう側の幻想を分断しています。この作品は極めて宗教的な要素が強く、一種の宗教画と言えますが、あまりに難解で当時の教会には受け入れられませんでした。こののち、ゴーギャンは「赤」を積極的に作品に取り入れるようになりますが、それはゴーギャンの情熱を表現したもので、ゴーギャンの新しいスタイルは、目に見える色ではなく心に浮かぶ色で作品を描くというものだったのです。
制作年
1888年
素材/技法
キャンバスに油彩
制作場所
フランス・ポン=タヴァン
ジャンル