ガラティアの勝利

Victory of Galatea

ラファエロ・サンティ

作品解説
この作品は、ラファエロのパトロンで銀行家だったアゴスティーノ・キージの別荘に描かれた壁画です。別荘は、後にファルネーゼ家の所有となりました。『ガラティアの勝利』というテーマは、古代ギリシャ神話です。美しい海の精ガラテイアは、島の羊飼いアーキスと恋に落ちました。けれども、ガラテイアを慕う隻眼の巨人ポリュペーモスが愛し合う2人を見つけて、巨大な岩を投げ落とし、アーキスを殺してしまうのです。ラファエロは、物語の主要な場面ではなく、海の精の真髄という場面を選んでいます。ここではガラティアはポセイドンの息子たちであるトリトン(半魚人)や海の妖精ネレイデスなどに取り巻かれ、イルカが引く貝の馬車のようなものに乗っています。また、構想はラファエロのものであるものの、制作の大部分は助手の手によるものとされています。
制作年
1511年ごろ
素材/技法
フレスコ
制作場所
ローマ
所蔵美術館
    ヴィラ・ファルネジーナ