三美神
The Three Graces
ピーテル・パウル・ルーベンス
作品解説
ボッティチェリの『春』でも描かれた女神たちであるタレイア、エウプロシュネ、アグライアを描いた『三美神』は「美」「愛」「貞操」を意味しています。1630年代中頃に描かれましたがピーテル・パウル・ルーベンスは本作を生涯手放さず、後年にスペイン国王フェリペ4世により購入されました。ボッティチェリの三美神とは随分異なり、3人とも肉付きがよくふくよかです。ピーテル・パウル・ルーベンスはミケランジェロの人体表現に影響を受けており、この晩年の作品ではそれが顕著に伺えます。そしてこういった華やかで軽快な雰囲気はロココ調へ引き継がれ、さらには印象派の画家ルノワールの作風にも影響を与えています。
制作年
1630年代中頃
素材/技法
油彩・板
制作場所
アントワープ