東方三博士の礼拝

Adoration of the Magi

サンドロ・ボッティチェリ

作品解説
「東方三博士の礼拝」は、サンタ・マリア・ノヴェッラ教会内に建造した礼拝所の祭壇のためにボッティチェリに描かせた祭壇画で、メデイチ家も参加していた銀行家組合の仲介人グアスパッレ・ラーミが依頼したものです。同作品は、ロレンツオ・イル・マニフィコとその家族のメデイチ家に対して公的に捧げられた作品である。古代の廃墟を場面として描かれたこの絵には、イエスの神聖な出来事を追想しながら語っていたであろう東洋の博士たちが描かれています。作品中には、その当時の有名なフィレンツェ人が描かれています。ボッティチェリ自身も、画面の右端からこちら側を見つめているんですよ。そのほかにも、左端のジュリアーノ・デ・メディチと彼にもたれかかる詩人ポリツイアーノの肖像が際立っています。その横の人物は博識なピコ・デッラ・ミランドラ、中央の幼子イエスの足元に脆いているのは老コジモで、その前の赤マントをまとった後ろ向きの姿はロレンツオ・イル・マニフィコ(右側の短い黒衣裳をつけて立つ横向きの男)の父ピエロ・イル・ゴットーゾという豪華メンバーが勢ぞろいしている絵なのです。
制作年
1475年
素材/技法
板にテンペラ
制作場所
フィレンツェ
所蔵美術館
    サン・マルコ教会