木曾路之山川

Mountain River on the Kiso Road (Snow, Moon and Flowers)

歌川広重

作品解説
"「木曾路之山川(きそじのやまかわ)」は広重が亡くなる前の年に描いた大作で、「阿波鳴門之風景(あわなるとのふうけい)」と「武陽金澤八勝夜景(ぶようかなざわはっしょうやけい)」の三部から成る雪月花の連作のうち、「雪」に当たる作品です。|広重は山里の雪景色も数多く描いていますが、この作品では画面全体に壮大な山の姿が描かれており、谷間を流れる川の水以外に色彩はなく、まるで水墨画のようです。|山全体が白い雪で覆われており、なおも降り続く雪は冬山のきびしさを感じさせます。|画中をよく見ると左の図には小さな集落があり、左と右の図の川幅の狭いところにはそれぞれ橋がかかっていて、どちらも人が歩いています。|人の姿は1本の針ほど細く小さく描かれており、雄大な自然の中で人がいかにちっぽけな存在かを表現しようとしたのかもしれません。"
制作年
1857年
素材/技法
多色刷木版画(3枚続)
制作場所
長野県木曽
所蔵美術館
ジャンル