金魚づくしー百ものがたり
Goldfish: A Hundred Terrifying Tales
歌川国芳
作品解説
"「金魚づくしー百ものがたり」は、国芳がジョークを交えて面白おかしく描いた金魚づくしシリーズのうちの1図です。|現在確認されている金魚づくしは9図あり、金魚をメインにカエルや亀が擬人化して描かれています。|この作品のテーマは、当時流行った会談話を順に披露する「百物語」、百物語というのは深夜の集まりで、百本のろうそくに火を灯し、怪談話がひとつ終わるごとにろうそくの火を1本消し、最後の明かりが消えると闇の中から化け物が現れるというものです。|この作品では、最期の話が終わった瞬間に化け猫が出てきたようすが描かれていますが、金魚にとっては化け猫じゃなくてもふつうに猫は怖い存在なので、化け猫と本物の猫はどっちが怖いかしらと考えると、思わずクスリと笑いがこみ上げます。"
制作年
1839年
素材/技法
多色刷木版画
制作場所
江戸向島(花街)、現在の墨田区