忠臣蔵十一段目夜討之図
Chushingura (Story of Forty-seven Loyal Retainers): Act Xl
歌川国芳
作品解説
"「忠臣蔵十一段目夜討之図(ちゅうしんぐらじゅういちだんめ ようちのず)」は、歌舞伎の演目「仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)」の十一段目、吉良邸(きらてい)討ち入りの場面を描いた作品です。|普通は芝居がかった迫力のある構図を描く場面ですが、国芳はこの作品でモノトーンを基調にしてあえて静けさを表現しています。|国芳は西洋画の技法に深い感銘をうけ、このころから西洋画の遠近法を習得しようと試みており、この作品では西洋の銅版画をもとにオリジナルの遠近法で建物を描いています。|光と影の方向には大きな矛盾が見られますが、本来、討ち入りは深夜の静寂の中で行われるもので、作品からは息をひそめるような緊張感が感じられます。"
制作年
1831年 - 1832年
素材/技法
多色刷木版画
制作場所
江戸日本橋