ヴィーナスの誕生

The Birth of Venus

サンドロ・ボッティチェリ

作品解説
ギリシアの詩人へシオドスは、海の泡から生まれたヴィーナスは帆立貝の貝殻にのって,ゼフユロスなどの神の優しい風でを受けてキュプロス島のパフオスに上陸したとしています。このヴィーナスの像を描く際、ボッティチェリは、古代ギリシアの画家アベレスが描いた名画,海からあがって濡れた髪をしぼるヴィーナスの絵を参照しています。ポッティチェリは,ヴィーナスが,おそらく神のみが持つ美を観想しているともいえましょう。ヴィーナスの侍女である三美神、アグライア,エウフロシュネ,タレイアーは踊り,上方では目隠しされたキューピッドが矢を放とうとしています。左側では,メルタリウスが魔法の杖えで雲を起こしています。ボッティチェリといえば《プリマヴェーラ(春)》も代表作の一つですが、《ヴィーナスの誕生》と合わせて、いずれも,ロレンツオ・デイ・ビュルフランチェスコ・デ・メデイチの別荘を飾るために依頼されました。
制作年
1483年ごろ
素材/技法
キャンパスにテンペラ
制作場所
フィレンツェ
所蔵美術館